韓国政府、マンション83万戸の供給策発表

韓国政府は5日、高騰を続ける住宅対策として、ソウル32万戸、全国83万6000戸の住宅(主としてマンション)を2025年までに供給する超大型開発計画「公共主導3080プラス」を発表した。新たな宅地造成や、民間の地主の参加によって用地を確保。購入希望者に有利な条件を提示するだけでなく、地主や施工社にもインセンティブを分配するという。

文在寅政権が打ち出した住宅対策は今回で25回目。同政権はこれまでに、首都圏127万世帯分の住宅供給対策を打ち出している。今回と合わせると歴代政権でも最大級となるが、大部分は再開発・再建築によって確保されるため、住宅数の純増は約60万世帯分になると見られる。

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政府はまた、迅速な供給のため行政手続きの簡略化、容積率の変更などの規制緩和も盛り込んだ。当初3年間は時限方式の「都心公共住宅複合事業」として推進。地主や民間開発事業者、地方自治体などが開発余地のある立地を発掘して韓国土地住宅公社(LH)、ソウル住宅公社(SH)など公企業に提案すれば、国土交通部や自治体が妥当性検討を経て特別地区に指定。各種インセンティブや規制緩和の調整を行うという。

卞彰欽(ピョン・チャンフム)国土交通部長官は発表の記者会見で、「今回の対策による都心における良質な住宅の供給は、無住宅世代が低廉な価格で我が家を持つことの出来る良い機会になる」と胸を張った。

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世論もまた、概ね期待をもって今回の発表を受け止めているもようだが、懸念を示す向きもある。ある不動産専門家は、「物量を確保できるかどうかは、民間がどれだけ参加するかにかかっている。約束した規模が大きいだけに、楽観ばかりはできない」と語った。