韓国版ソーシャルレンディング業者に登録取消処分

韓国政府の金融委員会は23日、長期にわたり営業実態の確認できないP2P貸出連携貸付業者(P2P金融)9社に対し、登録取消を議決したと明らかにした。P2P金融の登録制が始まって以降、金融当局が業者に対する広範囲な調査を行い、登録取消を決めたのは今回が初めて。

韓国版のソーシャルレンディングであるP2P金融は2016年に本格化し、2018年3月から登録制が施行された。さらに、昨年8月に施行された「オンライン投資連携金融業法(オン投法)」は、1年以内に最低5億ウォンの自己資本を充足することなどを義務付けている。しかし、業者の大半は同法の基準に満たない規模であるうえ、金融当局は法定上限金利(24%)の厳守を求めており、違反したと見なされた業者に対しては実質的な「追放処分」が下されている。

ただ、P2P金融の性格上、廃業や登録取消、追放が続けば、個人投資家の損害は避けられない情勢だ。

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今回、登録取消となった業者の中には、代表者が刑事被告人となり、個人投資家の資金が「凍結状態」に陥っている業者が複数ある。代表的なのが「ファンディングプラットフォーム」で同社の貸付残高は211億ウォン。代表者は詐欺罪で懲役8年の実刑判決を受けている。また、貸付残高42億ウォンの「フダムクラウド」の代表者は裁判が進行中だ。ほかにも、代表者の急死により、9億ウォンの貸付残高を抱えて業務が停止した業者もある。

登録が取り消されても、これら業者に対する個人投資家の債権は依然として有効だ。しかし、営業実態を失った業者から資金を回収するには複雑な法的手順を踏まざるを得ず、多くの投資家は泣き寝入りせざるを得ないのが実情だ。

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一方、業界ではオン投法の要件を満たせない業者の自主廃業も相次いでいる。昨年6月、金融当局がオン投法施行を控えてP2P金融業界に対する全数調査を行った際には237業者が確認されたが、その数はすでに130余りに減っている。