金融監督院、ライム販売でウリ・新韓トップに重懲戒

金融監督院がウリ金融HDの孫泰升(ソンテスン)会長と新韓銀行の晋玉童(チン・オクドン)頭取に重懲戒処分を通知した。大規模な消費者被害を招いたライム資産運用(以下、ライム社)のファンド商品販売について、両経営者に重大な責任を問うものだ。

ガバナンスに重大な影響

懲戒レベルは重い順に解任勧告、職務停止、問責警告、注意的警告、注意の5段階があり、文責警告からが重懲戒となる。

重懲戒を受けると、現在の任期終了後、役員再任が不可能となる。今後3〜5年の間、金融機関への再就職も禁止される。懲戒が確定すれば両行のガバナンスにも影響が及ぶだけに、処分の妥当性を巡り法廷闘争に発展する見通しだ。

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複数の業界消息筋によると、金融監督院は3日までに、ライムのファンド商品を販売したウリ銀行と新韓銀行、新韓金融HDに対する部門検査の結果に基づき、事前制裁通知を送付した。ライムの商品販売当時のウリ銀行頭取である孫泰升会長は職務停止、新韓銀行の晋玉童頭取は問責警告、趙鏞炳(チョヨンビョン)新韓金融グループ(持株会社)会長は注意的警告処分の通知を受けた。

また、3法人に対してはいずれも機関警告以上の重懲戒処分を通知されたとされる。販売時の不当勧誘と内部統制の不備などが認められたためという。

問題知りつつ販売

銀行の経営トップに対する職務停止通知は、2014年に林英鹿(イムヨンロク)KB金融会長が受けて以来となる。孫泰升会長はこれに先立ち、海外金利連携派生結合ファンド(DLF)が問題化した際にも、内部統制の不備により問責警告処分を受けた。今回の処分はさらに重い。金融当局が、ライム問題をDLF問題よりも重大視していることがうかがえる。

ウリ銀行は、ライムのファンド販売額が3577億ウォンと、銀行の中で最も多かった。これに新韓金融投資の3248億ウォン、新韓銀行の2769億ウォンなどが続く。

金融監督院は特に、ウリ銀行がライムファンドの危険性を知りながら販売を続けたと見ている。ウリ銀行が金融HDに移行する過程で、収益性を高めようとゴリ押ししたと見ているのだ。そのため、「資本市場と金融投資業に関する法律」(以下、資本市場法)が定める詐欺的不当取引と不当勧誘行為に該当するとの判断を下したもようだ。

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新韓銀行の晋玉童頭取に対する重懲戒も、同行の販売額が多かった点が問題視されたようだ。また、新韓は銀行と投資顧問会社である金融投資の複合店舗でライムファンドを販売しており、新韓金融グループの趙鏞炳会長は、複合店舗運営の管理責任を問われた形だ。

会長就任も「不可」

今回の重懲戒は、両グループのガバナンスに大きな影響を与える。前述したとおり、孫泰升会長はすでにDLF問題で問責警告を受けている。その是非を巡り行政訴訟を提起しているため、現在は職務を維持しているが、今回の処分が重なることで負担は大きく増す。

新韓銀行の晋頭取はHD次期会長の最有力候補だが、問責警告が確定すれば事実上、就任は不可能になる。

ある銀行関係者は、「銀行が『主犯』となったDLFとは異なり、ライムファンドでは銀行も被害者の面がある。消費者に対する補償にも積極的に応じたのに、これほど重い処分が下るとは当惑せざるを得ない」と話した。

各銀行は今月25日に開かれる金融監督院の制裁審議委員会で、ライムの商品中でも詐欺性の高い貿易金融ファンドについては投資家に対する100%の補償案を受け入れ、他のファンド被害者にも元金の30~70%を事前支給するなど、消費者保護に積極的に応じた点を強調し、処分の軽減を求める意向とされる。